dailicious stories
蝉がミンミン鳴いていた。古びた小さな喫茶店の前に、じっと下見てる女の子


『どうしたの?』

話しかける男の子の手には、半分くらい残ったソフトクリーム


『アイス落としちゃった…』

『…』

泣き出しそうだった女の子は、それでもじっと下見たあと

『でもアリさんいっぱい食べてるからいいよね』
とびっきりの笑顔を、男の子に向けました


『あげる』

『へ?』

『僕もういらないからあげる』


片手差し出して、そう言う男の子


『ありがとうっ』

女の子の笑顔に男の子も笑顔になる



そのとききっと、2人は 恋に落ちてたんだ──


「12年前のこと覚えてるのなんておばちゃんのこといえないよ」

「いいだろ。ってゆま!アイスやばいもーかなり溶けてる!」

「わー!たれちゃうー!!」     
「ほらこっちも!」

「うわっ制服についたっ」

2人はしゃぎながら、1個のアイス食べて。
きっとこれからも、麻呂屋のソフトクリームは、2人を近づけてくれるでしょう。


それは2人の



     甘い甘い習慣



10/03/16
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