dailicious stories
「んじゃさあ、かわいそうな直ちゃんの為に合コンくんだげるー。そんでもっておもしろそうだから着いてったげるー」

「女神様だっ!女神ゆき様だっ!あんがとう!」

    * * *

─現在8月

夏休みもあと3週間を切った頃



「今度の日曜合コン行くのー。」


あたしはいつものように、お昼を食べた後の暇な時間を、晃太の部屋でまったり過ごしていた。



…このポテチうまぁい。
帰りに買ってこ♪



「知ってる」

さして興味なさそうな晃太の反応。なんか機嫌悪いなぁ…


「てか、なんで知ってんの?」

「山本に聞いた。啓陽高校とのだろ」

「へーそうなんだ」

「……みじめな思いで帰るだけだぜ?やめといたら?」

「なぬっ」


大丈夫だよ。合コンに来るコたちは、あたしが晃太と付き合ってるなんて、勘違いしなぃし。


「彼氏できたらね、ラーメンおごってもらったりね、アイスおごってもらったりすんの!」

「…直美お前なんか間違ってる」




みんなだってできてるんだ。あたしにだってできるよ

ちょろいもんさ

そう思いつつも、気分は何となく、新学期を迎える前みたい

たくさんの期待と ちょっとの不安。


    * * *


待ちに待った日曜日。待ち合わせ場所の駅の改札には、既にみんな待っていた。



「直美こっち!!」

「ごめん遅れたっ!!」

「髪よし顔よし服もよしっ!んじゃ行こっか!」

「う…うん!」
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