だいすきだよ 短編集☆
スーツをビシッと着こなしている相手は、
「…おはようございます。…俺も、サボりたいなって。」
本当いうと、少し怖かった。
「し、仕事を…ですか?」
なのに、
「そうそうー♪君、なまえは?」
「川崎、麻子。中3です…。」
「そっかー。今年受検かぁー。」
普通に話している自分がいた。
「俺は……。…秘密」
「秘密…じゃなんて呼べばいいですか…?」
「ケンゴ。そう呼んでよ」
「ケンゴ…さん。」
「違う違う、ケンゴ、でいいから」
「ケンゴ……。」
かぁ、と自分で言っていて顔が赤くなっていくのがわかった。
男の人を呼び捨てにするのは…初めて。