夢の星屑



ミユの部屋はすぐ隣。

扉を勢いよく開けた。

そこには窓を覗こうとするサラの姿が。


「行くな!!」


咄嗟に出た言葉はこれだった。

振り向くミユ。

涙を流していて、動揺を隠せないように見えた。

すぐにミユがいるの所に駆け付けて、かばうように覆いかぶさった、調度その時。

背中に強い衝撃を受けた。

それからは周りがスローモーションに見えた。

ミユを背中から抱きしめた状態のまま地面に倒れ込んだ。

その瞬間に涙目で見つめてくるサラの顔。

周囲の物が一瞬に砕け焼け散った、その様子を。


気が遠くなるまで、この目で見ていた。



―――――――――――――




「……ソ……ラ!!!」

「…うっ…わあぁぁああ!?」

「ソラッ? よかった!!」


ひしっと勢いよく抱き着いてきたのは、まぎれもない、ミユだった。

落ち着いてみれば、体全体が汗でびっしょりだ。

背中に受けた衝撃は、今でも微かに体が覚えてた。

正直…嫌な夢だった


「ねぇ、大丈夫? 随分うなされてたみたいだけど…」

「…あ、そうだ! お前、また同じ夢を見たのか?」

「え? …うん」

「そうか…」

「あたしの夢、見たの?」

「…あぁ。ミユの言ったとおりだったよ」

「誰かに話した方がいいんじゃない…?」

「…」


ミユの言うことは間違ってないのかもしれない。

もしこれが事実だとしたら、一刻を争う。

だけど…



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