しんぐるべっと
前日の余韻に浸りながらも、俺は翌日の日中を過ごした。


だが夜は夜で別の楽しみがあった。


夜遊び!


バイト先の同僚と街に繰り出すので頭が一杯だった。


俺は普段つけもしない香水をつけ、髪もセットし、気張った。


俺は同僚に頼まれた通りに吉野家の牛丼(大盛)を買って、同僚宅に向かった。


同僚は妻子持ちだったが、その時は家にいなかった。


子供がいる、というのが色濃く出ていた。


奥さんの趣味がはっきりとわかる部屋だった。


それはさておき、牛丼を食い終わり、一服した後、俺らは街にくり出した。


あいにく、その日は目を付けていた店が粗方閉まっており、数軒のスナックやセクキャバを回った。


雨も降り出し、そろそろお開きにしようかという時に電話が鳴った。


その前からTから電話がかかってきてはいた。



遊ぶべ!



俺は寝てると言ってごまかした。


Tに言ったら絶対ここにくる…


同僚はTを毛嫌いしていたため、呼ぶのを徹底的に拒んだ。


ただ…


その時の着信は見知らぬ番号。


もしやと思い、かけ直すと案の定…


あいつだった。
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