【短】これが最後の恋でありますように
あれから数日後の放課後。
用事があって、帰るのがまた遅くなったあたし。
その用事を済ませ、鞄を取りに教室に戻ると……
思わず中に入ることをためらった。
開きっぱなしの扉から、窓際の席に座る紘斗の姿を確認したからだ。
空気が…いつもと違う?
しかもその表情が、辛そうで…近付けない。
教室に入ることもできず、 ただ影から見ていた。
何でだかよく分からないし、うまく説明なんてできないけど……
目が離せなかった。
そして次の瞬間。
一筋に輝く光が頬を伝った。
ガタッ
「誰かいんの?」
ヤバ…ッ。
あたしが立てた物音に、すぐに反応した紘斗。