【短】これが最後の恋でありますように
それからも、よく二人で屋上から空を見上げた。


無駄な話をしたり……

無言でいることもあった。


紘斗の回りにすぐ人が集まるわけも分かった。

紘斗の人柄のよさは、あたしでも理解できたし。


何より、紘斗は心を綺麗にしてくれる。

居心地がいいの。


それはあたしにとって、青い青い空と同じようだった…。




そして紘斗も、少しずつあたしに素を見せるようになった。


紘斗だって高校生。

悩んだり愚痴ったりするし…笑ってばかりじゃなかった。


それでも時折見せる、満面の笑みはあたしの心を温かくしてくれた。


それが恋だと思うのに、時間はかからなかった…。
< 18 / 96 >

この作品をシェア

pagetop