【短】これが最後の恋でありますように
「はははっ、今ちょっとデートっぽかったな」


ニッて笑ってあたしを見る。


紘斗があたしのことなんか、何とも思ってないって分かってるのに……

胸の音がやけにうるさい…。


「も、もう!!置いてくからっ」


恥ずかしくって、速度を上げる。

絶対顔真っ赤だし。


「や、待てって」




そしてすぐに公園に着いた。

この辺りで一番広くて大きな公園には、花や木がたくさん植えられている。


「あー美祢のせいで疲れた」


そう言いながら、近くのベンチに座った紘斗。

パンパンと隣を叩きながら……


「座れば?」


指示通り、ちょこんと間を空けて座る。

でも本当に、光合成もできそうな場所だ。
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