【短】これが最後の恋でありますように
それからいつものように、色んな話を二人でした。


学校のこと、友達のこと、家族のこと…。

不思議と紘斗には何でも話せた。


だって紘斗は、つまんないこともちゃんと聞いてくれる。

それだけであたしは、すごく安心するの。


「あ、一番星…」


気が付けば、いつの間にか辺りは薄暗くなってきていた。

もうすぐ冬だと知らせる合図だ。




「なぁ…何で星は輝くんだと思う?」


さっきまで笑ってた紘斗が、急に真面目な顔になった。


「目印…とか?」


「目印?」


あたしが何気なく口にしたその言葉に、紘斗は興味を持ったようだ。


「何て言うか…あたしはここにいるよって。きっと誰かに見付けて欲しいんだよ」


そう、自分の存在を知らせてるの。
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