【短】これが最後の恋でありますように
「俺が意地張ったせいで、仲直りすらできなかった…」


その言葉から、ひしひしと伝わってくる感情。


「太陽が好きって言ってたくせに、アイツは…星になった」


真っ直ぐに一番星を見つめる紘斗の表情は、切なそうで…苦しそうだった。

今までずっと溜め込んできたの…?


「俺、バカだから…何もできなかった」


小さく震える左手を、あたしの右手で包み込んだ。

あたしの想いも届くように。




「……彼女さん、きっと見てるよ」


「え?」


あたしを見る紘斗の代わりに、今度はあたしが一番星を見つめる。


「ほら、笑ってって。あたしはずっとここにいるから、太陽みたいに笑ってって」


紘斗の彼女だもん。

きっと怒ったり、恨んだりするような人じゃないでしょ?


もしあたしだったら…願うよ、紘斗が笑っててくれますようにって。
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