【短】これが最後の恋でありますように
「え?じゃねーよ!!勉強教えてもらったお礼っ」


当然の如く言い放つ紘斗に、あたしは目をパチクリさせてた。

今までだって何度か遊びに行ったけど、クリスマスは…やっぱり…ね?


「……何でわざわざクリスマス?」


恐る恐る口を開くと、笑顔で紘斗が答えた。


「補習ある日に約束して、自分にプレッシャーかけたいからっ」


あー…なるほど。

深い意味はなしね、やっぱり。




「でもクリスマスはどこも混んでるし…」


クリスマスは避けたかったあたしは、遠回しに断る。

それを敏感に気付いた紘斗。


「何だ?まさか男と予定入れたのか!?」


「……なわけない」


「じゃ、決定!!約束やぶったら、針千本飲ますからなっ」


笑顔の紘斗に、それ以上あたしが言い返せるはずもなく……

小さく頷いた。
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