【短】これが最後の恋でありますように
「寒ぃー!!」


屋上は風が吹いていて、寒さも半端じゃない。

紘斗も当然、寒さを叫んだ。


「だったら別のとこでもよくない?」


今日はどこも人が多いとは言え、流石に寒さには耐えられない。


「バーカ。この辺で人がいなくて、高い場所っつったらここしかないじゃん」


んー?

何その条件は。


「うっわー、完全に俺のことバカにしてんだろ」


「分かってるなら、理由を教えてよ」




パッと夜空を見上げる紘斗。

ここら辺は明るい建物が少ないから、星が綺麗に見える…。


あたしはただ、そんな紘斗を見つめた。


「美祢が…俺の世界を変えたんだ」


静かな夜に、ボソッと紘斗の声が響いた。


あたしが…世界を変えた…?

真面目な態度にドキッとした。
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