【短】これが最後の恋でありますように
え…?


ドクン…ドクン…。


体の中心に一本の電気が走ったようで、体の感覚を感じない。


「……嘘?」


やっと出てきた言葉は、簡単に信じることができない証拠。


「嘘じゃない」


即答した紘斗が一歩、あたしに近付いてくる。




「な、何で…?」


そんなこと、ありえるわけないよ。

絶対嘘だ。


「あ、あたし…冷たいし、サバサバしてるし、適当だし…優しくもない…」


胸を張れるいいとこなんて、一つもない。


増してや…紘斗に好かれる理由なんて、全然ない!!


「そんなことない」


ギュッて抱きしめられたあたしの耳に、震える紘斗の声が聞こえた。
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