【短】これが最後の恋でありますように
「おみくじ引きに行こうぜ」


握られた手をグイグイと引っ張られて、人込みを掻き分けていく。


大切にされてるって思うし、少しずつ紘斗が彼氏って実感も沸いてきた。

でも…時々考えてしまう。


紘斗は今も、彼女さんのことが好きなのかな?




さっき言った今年の目標だって、彼女さんのことがあったからでしょ?


紘斗はどう思ってるの?


亡くなった人と比べることはできないし、過去を羨んでも仕方ない。


分かってるのに、心はどうしても考えてしまう。


この幸せな時間を、失ってしまうことが怖い…。


紘斗はズルイよ…。


あたしは紘斗の過去も今も未来も、全部全部欲しいのに。

紘斗は違うの…?
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