【短】これが最後の恋でありますように
「き、緊張したー…」


部屋に入ると、一気に力が抜ける。


「あはは!!別にいつも通りでいいのに」


そんなこと普通できないって言おうとしたけど、紘斗ならできそうだから黙っておくことにした。


部屋を見渡すと、シンプルに片付けられてて…男の子の部屋って感じがする。




「何がしたい?朝まで語る?それともイチャイチャする?」


最後の選択肢のせいで、顔が少し赤くなる。

あたしって言葉にしなくても、絶対考えてること透けてるよね…。


「ん?イチャイチャ希望?」


「ち、違う!!」


慌てて答えると、フッと微笑んだ紘斗があたしの隣に座った。


「そんなに否定されると、傷付くんですけど?」


あたしの顔を覗き込む紘斗。

二人きりのこの空間に、胸の音が響いてしまいそうだ…。
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