【短】これが最後の恋でありますように
「……俺のこと好き?」


腕から少しだけ顔を上げてあたしを見る紘斗。


「…うん」


しっかりと頷いた。


「本当?」


「本当だよ」


そしてため息を吐き、また顔を腕に埋めた紘斗。

何か様子がいつもと違う…?




「美祢はズルイ」


聞き逃してしまいそうな声で、呟いた紘斗に驚く。


「もっともっと俺のこと好きになってよ」


「え?好きだよ?」


これ以上好きになるとは思えない程、今のあたしは紘斗が大好き。


「嘘だ。絶対俺の方が好きだし」


ドキッ


「美祢はキスしてもいつも通りじゃん。俺なんか、心臓痛くてヤバイのに…」


え?紘斗も…?
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