【短】これが最後の恋でありますように
同じ…?

あたしの方が紘斗を好きだと思うし、すごく不安だった。


もしかして、紘斗も同じ気持ちなの?


そっと紘斗の手を取り、あたしの胸にあてる。


「あたしも、すごくドキドキしてるでしょ?」


この音が伝わってしまうのは恥ずかしいけど、嘘じゃないから。

紘斗にだけだから…。




「……本当だ。俺と同じぐらい早い」


そう言って、はにかんだ紘斗。


紘斗でも…不安になることあるんだね。

あたしだけが好きなわけじゃないんだね。


「つーか美祢?」


「うん?」


「この手…」


あたしの胸に触れたままの紘斗の手。

大きな手は、ピタリとくっついてる。
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