【短】これが最後の恋でありますように
「ふーん…」


特に興味もなく、あたしは自分の勉強に戻る。

数学の問題を一問、二問と解いていく。


……ダメだ。

シャーペンを机に置いて、また紘斗の方を見る。


すると、視線にすぐ気付いた紘斗。


「ん?」


「…眩しい」


「え?」


あたしの声が小さ過ぎたらしく、聞き返された。




「その頭、目がチカチカする」


どうしても視界に入ってくる頭のせいで、勉強に集中できない。

苦情を言ったつもりなのに……


「あはは!!悪い。でも我慢して。他の席いっぱいじゃん」


何で笑うの?

確かにテスト前ということもあり、使えそうな席は他にない。

どこの机も教科書や参考書が広げられている。
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