【短】これが最後の恋でありますように
いろんな思考が飛び交う中、紘斗の大きな手が触れた。


でも本当に少し当たったぐらいで、手を引く紘斗。


「俺…こういうの初めてだから、どうしたらいいかよく分かんない」


真っ赤な顔で言う紘斗。

初めて?…え?


「前の彼女さんとは?」


「……ない」


彼女さんは体が弱かったんだっけ。

だからかな?




「美祢はあるの?」


「……うん」


隠しても仕方ないと思って、正直に頷く。


「は!?まじで!?誰と!?」


勢いよく質問されて戸惑う。

今時、珍しくはないよね…?


「あ、悪い。そりゃあるよな…」


少し冷静さを取り戻した紘斗は、またため息をつく。
< 61 / 96 >

この作品をシェア

pagetop