【短】これが最後の恋でありますように
「そっか♪じゃあ、あたしも素直に喜んどくっ」


「そうそう、人の好意は受けるべし」


紘斗の言い方がおかしくて、あたしは隣で大笑い。


「はは!!美祢笑い過ぎだからっ」


そう言う紘斗も笑ってて、いつものような穏やかな時間。

この空気があたしは大好き。


今日は気温も高くて、春を感じることができる。

時折吹く生暖かい風が気持ちよくて、あたしたちから笑顔が消えることはない。




「美祢に出会えてよかった」


本当に突然、紘斗は呟いた。


「どうしたのー?急に」


あたしも同じ気持ちだった。

季節に負けないぐらい、心はポカポカしてる。


「ん?幸せだなーって思って」


このときの紘斗の笑顔を、あたしはきっと…一生忘れることはない。
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