【短】これが最後の恋でありますように




気が付くと…あたしは一人、夜の公園にいた。


初めて二人できた場所。

それからも何回か遊びにきたことがある。


ここにいれば、紘斗が迎えにきてくれるような気がした。

いつもと変わらないあの笑顔で。




あ、でも…紘斗の好きな太陽はもう見えない。

ダメかな?


そう考えながら、ふと空を見上げた。

それはとても澄んだ夜空。


え?あ、嘘…こんなところに……


「…うっ…ひっく」


やっと止まったはずの涙がまた、溢れ始めた。


そこには、真っ黒な空にキラキラ輝く…紘斗が確かにいた。


いなくなったはずの紘斗が……

『ほら、笑って。俺はずっとここにいるから、太陽みたいに笑って』

そう言ってる気がした。
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