【短】これが最後の恋でありますように




紘斗のお葬式の日は、本当に天気がよかった。


あたしの大好きな真っ青な空と、紘斗の大好きな元気な太陽が覗いてる。


……そんな小春日和。




火葬場の煙突から上る紘斗は、まるで吸い込まれるように消えていく。




紘斗があたしにくれたこの恋心。

一生忘れることはないでしょう。




こんなあたしを好きになってくれて

たくさんの感情を教えてくれて


本当にありがとう。




いつか、もう少し大人になったら……

紘斗の分まであたしが生きる、って言えるぐらい強くなりたいな。


……少しだけ、待っててね?
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