アナタだけしか

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「別れよう」









今日で一年記念日。
私城北千歳は彼である福原康司にいきなりそう告げられた。

「えっ?なんで…別れたくないよ」

「他に好きな子が出来たんだよ、もう電話もメールもしてこないでくれる?じゃあね」

一方的にそう言って彼は一度も振り向かず帰っていった。

私は呆然とその場に立ち尽くして彼の背中を見送った。


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