回転木馬
◇君ハ
それから少しして、辺り前ですが、人の瞳が笑っていようが腫れていようが関係なく、何もなかったかのように休日が来ました。
いつもみたいにグランドを歩く。
『おはようペロ』
今日はカメラって気分じゃなかったけど手ぶらっていうのもなんだか物足りなく感じたから、ギターを持ってきた。
ゆっくりと歩いて、先週と同じベンチに座る。
そしたら
『あ』
桜が一つだけ、咲いていた。
可愛い。
やっぱり…カメラ…
でも今更そんなこと考えても意味ないから、しっかりとその桜を目に焼き付けて心にしまった。
ギターケースからそっとギターを取り出す。
ペロはこの物体からでっかい音がするって知ってるみたくて、一瞬ビクってした後逃げちゃった。
チューニングをして、小さく音出しを始めた。
『uhuhuh〜』
適当に頭の中に流れたメロディーを出していく。
『uhuhuh〜uh』
なんかいい感じの曲ができそう。
なんとなく思った。
気分で弾いていると
『あ』
先週と同じおじさんと目が合った。
今見ると、凄い穏やかな笑顔をしてる。
やっぱり、きっと気分の問題だったんだ。
ちょっとした罪悪感。
なんか目を合わせずらくて笑顔で会釈をして目を反らした。