留守番電話
会釈しながら榊原は
去っていった。
榊原の背中を小さくなるまで
見つめ続けている優一に
大地が恐る恐る近付いてきて
「お前、榊原と仲いいの?」
と聞いてきた。
「仲良いとかじゃないし。」
「じゃ、何よ?」
大地はしつこく尋ねてくる。
「高校同じだったんだよ。」
本当、ただそれだけ。
そう言うと大地は安心したように
ため息をついた。
「あいつは変わってる。」
「近付かない方がいい。」
大地が忠告してくれた。
「………………………。」
みんながまた榊原を
嫌っているのか。
優一はふっと高校時代を
思い出した。