君を知ったその日から
「そういえば、絵里と一緒に来た人…」
「同じクラスやねん」
「あれ、ってさ…」
ちらりと征登を見て、何かを言いかけた愛子は顔を赤くした。その姿に、にんまりとする。にんまり、というかニヤリというか。そんな類の笑みだ。
「愛ちゃんのす・き・な・ヒ・ト」
耳元で囁くように言うと、愛子は顔を真っ赤にさせた。耳まて、赤い彼女を見て、ふにゃりと笑う。全く、純粋な子はどうしてこうも分かりやすいのか。
「ななな………!!」
「あはっ、真っ赤!!」
あまりにも愛子の反応が面白くて、絵里はケタケタと笑う。それに比例して、愛子はさらに顔を赤くした。
「2人とも、めっちゃ楽しそうやなぁ」
少し高めの声がして、そちらを向いた。