君を知ったその日から


「愛ちゃん」

「何?」

「……顔、赤いよ」


と言うと、真っ赤な愛子はこれ以上ないってぐらい顔を赤くさせた。純粋で素直ですごく可愛い―――絵里はクスリと笑う。

何度も言うけれど、純粋な子は可愛らしい。


「原田さん、真っ赤になっちゃってかわいーっ!!」


屈託のない笑顔を浮かべながら健二は言って、愛子の頬をつついた。うぅ…と唸って、愛子は顔を俯かせる。


「あー。宮野、あんまりからかったら嫌われるで」

「え、嫌や!!嫌われたくない!!」



絵里がニヤリとしながら言うと、面白いぐらいの反応を示して健二は頬をつつくという行為をやめた。その表情は本当に慌てているようである。


こいつも面白いなぁなんて、絵里は思った。



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