君を知ったその日から
「…とりあえず、早く食べや」
ぶくくと笑って、彼は言う。
どうやら私は、相当変な表情をしていたらしかった。
彼の言葉に甘えて、私は全て食べ終えて、弁当箱を綺麗に片付けた。
「ん、食べたよ」
でも、「あ~……」やら「ん~……」やら、彼は唸っている。
なんだか、顔が赤い。
「何?どうしたん?」
怪訝な表情をして、私は訊いた。
「俺な…?原田が好きやねん」
そう告げた彼はまた、顔を赤くした。
私は、心はバラバラに崩れていくのを感じながら、震える声で「そっか…」と呟いた。
もう、それを言うのが精一杯で。
私のハツコイは、虚しく散った。