君を知ったその日から




今まで、絵里以外の人と普通に話すことはなかったから(大人とは普通に話せていたが)、なんだか嫌だ。


………嫉妬、なのか。

この2人に嫉妬したのだろうか。



自分の知ってる愛子でなくなるのが、嫌なのだろうか…


「片山さん?」

「え、あ…」



いきなり沈黙した絵里を不思議に思ったらしい健二は、顔を覗き込んできた。それで我に返った絵里は、健二を見て胸を鳴らす。

上目遣いで見るのはやめてくれ―――そう思った。


「眉間にめっちゃ皺寄ってたで」


こんな感じ。と、健二は眉間に皺を寄せる。

それがまた酷すぎる顔で、絵里は思わず噴き出してしまった。健二の顔が面白いことこの上ない。



< 24 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop