君を知ったその日から
今まで、絵里以外の人と普通に話すことはなかったから(大人とは普通に話せていたが)、なんだか嫌だ。
………嫉妬、なのか。
この2人に嫉妬したのだろうか。
自分の知ってる愛子でなくなるのが、嫌なのだろうか…
「片山さん?」
「え、あ…」
いきなり沈黙した絵里を不思議に思ったらしい健二は、顔を覗き込んできた。それで我に返った絵里は、健二を見て胸を鳴らす。
上目遣いで見るのはやめてくれ―――そう思った。
「眉間にめっちゃ皺寄ってたで」
こんな感じ。と、健二は眉間に皺を寄せる。
それがまた酷すぎる顔で、絵里は思わず噴き出してしまった。健二の顔が面白いことこの上ない。