君を知ったその日から
校内にある大きな掲示板。
その前には絵里と征登、それから大勢の人々。各々、自分がどのクラスに属しているのかを探していた。
そのなかで絵里は小さい部類に入るため、目の前にあるはずの掲示板に貼り出されている紙が見えない。思わず唸りそうになる。
「見えへんし…」
「見てきたろか?」
「…お願いします」
うぅっと涙目になっている絵里を横目に征登は微笑を浮かべると、目の前にある人込みの中に消えていった。
それから少し経って、人込みからは眼鏡をかけた青年が出て来る。もちろん、それは征登だった。
口元には、先程はなかった笑みを浮かべている。