アイ・マイ上司とlove★battle
向き直って仕事を再開させた涼子に倣い、席に着いて一先ずPCの電源をつけた…。
お局間違いナシと言われていた、美紀さんの抜けた穴は大きいと改めて思う私。
キツイ発言の多い先輩だったけど、ソレは成長を望んで面倒を見てくれていた証拠。
渡されたマニュアルを見る度、おバカな私でも分かりやすくて大助かりだもの。
「あれ、課長は…?」
いつもPCが起動するまでの僅かな瞬間に、ふと見てしまうのは課長席で。
今日も同じようにチラリと一瞥して、姿かたちが見えない事を涼子に尋ねれば。
「なに、“もう”顔が見たくなったの?」
「ちっ、ちがうってば…」
「鈴が来る少し前だけど、内線が入ってから不在よ」
「そうなんだ…、ありがと」
少しからかいながら答えてくれた彼女に返すと、作成途中の書類に手をつけた…。
暫くすると続々と出社して来た社員によって、部内は活気が生まれてくる。
皆が仕事に取り掛かれば部内は、カタカタ…と特有の音に包まれていたけど。
朝令の為に一旦作業の手を止めれば、珍しく定刻に経理部長と課長が共に現れて。
その2人の姿にプラスされたのは、見た事の無いひとりの女性だった・・・