アイ・マイ上司とlove★battle
聞きたくても聞けない…、これがオフィス・ラブの不利点なトコロで。
ましてやアイマイな彼の場合、余計に考えが読めないから困りモノだ…。
「ちなみに笹森さんは、稲葉くんのアシスタントをメインでして貰うから。
今日の朝礼は以上です、それでは各自仕事に戻って…」
ムダを嫌う部長は今日もまた手短に終えると、そのまま部を退出した。
だけど報告を受けた周りが、一瞬だけザワついたのは当然だと思う。
「ねぇ…、笹森さんが課長補佐ってコトよね?
いきなり入社して、もう役付きか…」
私の隣で朝礼の動向を窺っていた涼子が、私の服の袖を引っ張った。
「え…、凄いね…」
ていうことは、笹森さんが私たちの直属の先輩かな…?
そんなトコロへ頭の回らない私は驚いて、彼女の方へと視線を変えれば。
「課長、さっそくですけど…」
「あぁ・・・」
「・・・っ」
いつの間にか澄ました顔に戻っていた課長へ、やたらに近づいて話す笹森さん。
「うわ、なにアレ…」
そう涼子が呟いてくれた通り、彼のスーツを引っ張って甘い声を出す彼女。