アイ・マイ上司とlove★battle
いつも悩んでいると、決まって輝から提示されていた総勘定元帳もなければ。
仕事が終わったあとで入れてくれる短文メールはおろか、着信もゼロの状態。
失敗して怒られて…、辞めたいくらい辛いと思った事は何度もあったけど。
だけど、これほどズキンズキンと、心が痛んで苦しいのは初めてなのに…――
「鬼課長、一発シメません?」
「いや、俺は一回シメるの成功してるからメンドイ。
それにシメるなら、鈴ちゃん使った方が良いだろ?」
チビチビとサワーを飲む私を置き去りに、善からぬ方へと話が及んでいる2人。
どうしよう…、何だか落ち込むボルテージの方が薄れていくじゃない・・・
確かに色々問題を作ってくれたけど、社内周知されたのもまた彼のお陰だと。
ようやく最近になって、以前というか元の関係に戻れた私と大平さん…。
これで全部片付いたし、一生懸命に仕事を頑張ろう!なんて思ってたのに。
強敵すぎる笹本さんの登場で、暗雲が立ち込めそうな気もしない一日だったな…。
「ちょっ、ちょっと…鈴!」
「な、なによ…!」
するとその時、隣席からグイグイと腕を引っ張られて、思わずよろける私。
すっかり饒舌かつほろ酔いな涼子に急かされ、店外へ目を向けたトキ。
見たくもなかった光景が広がっていて、ギュッと胸が締めつけられた・・・