アイ・マイ上司とlove★battle
私は輝のコトが好きで好きで、もうどうしようも無いくらいなのに。
こんな気持ちにさせたのは輝なのに…、もう厭きたちゃったのかな…?
「へぇ、やっぱり貴方だったのね」
「・・・え?」
背後から掛けられた声に反応をすれば、コツンとヒールを鳴らしつつ。
こちらへ近づいてくる笹森さんの登場に、バクバク鼓動が速まっていく。
ニッコリと笑いながらも、こちらに向ける視線は敵対するモノだから…。
「まぁ…核心はあって確証が無かっただけのコトよ――
それに私ってまだ入社2日目で、貴方と違って超多忙なせいもあるけど。
周りに求めてすぐ答えを出すよりも、徐々に掴んだ方が楽しめるじゃない?」
「…どういう、意味ですか?」
如何にもインテリぶった言い方だけど、目上の方だしグッと堪えて尋ねれば。
コツンとひと際大きくヒール音を立てて、もう一歩距離を詰められてしまう。
「…おバカな貴方には、ハッキリ言わなきゃダメみたいね?
もちろん、輝と付き合ってたの。彼のお腹にホクロあるでしょ?」
「・・・っ」
そこに存在するのは上司としてではなく、私に冷たい目を向けるただの女性。
ピンクのルージュに彩られた唇で、ニッコリ笑った笹森さんに息を呑んでしまう。