アイ・マイ上司とlove★battle
ポタ、ポタ…と無数の雫を作り出しては、無情に零れていく大粒の涙。
独りでなんて泣きたくない…、輝の広い胸で冷えた心も温めて欲しいのに・・・
「っ、な…んで、止まんない…かなぁ…っ」
泣いた事がバレたくない…なんて、もう不要かもしれない言い訳を作って。
瞳をギュッと固く閉じて、指でメイクが崩れないように拭ってみても。
無慈悲にポロポロと零れていくから、不甲斐なさに悔しさだけが募っていく…。
こうして泣く時点で、輝の過去にも笹森さんにも負けているのに…――
するとバタバタと足音が聞こえたのも束の間、バンッと開け放たれたドア。
「りんー、まだ掛かりそ…って、どうしたの!?」
「ひっ…、く…、もう、っ、やだ…」
泣いても何も始まらないと分かっていても、涼子の顔を見て余計に潤んだ涙線。
「ちょっ、な…何があったの?」
「うぅー…っ――」
救いを求めるように、私は涼子に抱きついて本格的に泣き出してしまった。