アイ・マイ上司とlove★battle
だって…“上司になった元彼女に泣かされた”、なんて言えるワケ無いよ。
ソレこそ輝から、コドモ染みてるって厭きられるだけじゃない・・・
「身に覚えが無いとでも仰いますか?」
気まずい空気を私が発すれば、涼子がバッサリ断ち切るように彼へ尋ねた。
「…いや、大アリだ」
すると苦笑をしつつ、なおもこちらを捉えて離さない輝の瞳に射ぬかれる。
「・・・っ」
輝はズルい…、その眼差しを向けられて逸らせないのを知ってるもん…。
「それなら結構です…、私は失礼しますから」
コホンとひとつ咳払いをした涼子が、納得したらしい面持ちをしてるけど。
「迷惑掛けて悪かったね、ありがとう」
「ええ本当です、仕事に私情を持ち込むのは好きじゃないですが。
ついでに課長…、今度鈴を泣かせたら本当に許しませんから。
こう見えても私、少林寺習ってるので覚悟して下さいね?」
輝の謝罪を受け入れたようで、目元は笑っていないトコロが本気の証拠。
そして言い放った言葉だって、とても上司に向けるモノではない辛辣さだ。