アイ・マイ上司とlove★battle
嫉妬×意地=?
チラリと視線を送れば、“じゃあね”なんて、あっけらかんと踵を返して行く涼子。
オリエンタルな香りを漂わせて抱き締められると、悔しいけど腕を回してしまう私。
何を考えているのか分かんない彼に、聞きたい事は山ほどあるというのに・・・
「…ハァ、鈴ちゃんの香り嗅ぐと眠くなる――」
すると私の頭の頂点に顎を乗せ、珍しく溜め息をついたり欠伸をする輝。
「輝…ヘンタイ発言だよ、ソレ…」
「フッ…、確かに――鈴ちゃんのせいだ」
本当に彼はズルい…、私の急所を突くように“鈴ちゃん”と連呼して来るし。
「ご…、誤魔化されないからね…!」
「誤魔化すも何も、俺は鈴が欲しいだけ」
抱きついておきながら、何故か今頃バタバタと彼の胸を中で暴れてみたり。
「なっ…、か、軽すぎ…!」
「鈴ちゃんに倣って、本能に忠実に生きる事にしたから」
「・・・ッ」
強気で言い返してみたものの、すぐに彼のペースに巻き込まれてしまう。