アイ・マイ上司とlove★battle


あれだけ悲しくて仕方ないほど、もうフラれるって思って半ば諦めていたし。



笹森さんの言葉にも、あんなに傷ついたのは初めてと思うくらい泣いたから。




「さ、笹森さん…て、美人、だね?」


「まぁ…、確かに美人だと思う」


「・・・」


だから勇気を出して彼女の話を振ってみれば、悲しい答えが返って来た。




「聞いたよ…前に…付き合ってたんでしょ?」


「いや、付き合ってはいないが…、関係はあった」


「っ、そ、そう…」


聞き分けの良いフリをして、精一杯にオトナぶって尋ねてみれば。



ようやく埋まりかけたキズが、また泣き出したいほどの痛みを感じた。



どうして付き合って無いなんて、ここでウソを吐くのか分かんない…。



大体ね…曖昧すぎる答えで余計に傷つく事も、彼に分かるワケ無いよ…。




「悪いな…、もう少しだけ待っててくれ――

…鈴ちゃん以外にブレるほど、安いオトコじゃない」


「…っ、ズルい・・・」


それでも不安と裏腹に高鳴る鼓動と、彼の腕の中に再度収められてしまうから。



好きな人の腕の中で囁かれる言葉は絶大だね…、許そうとしてる自分が怖い・・・




< 42 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop