アイ・マイ上司とlove★battle
あれだけ悲しくて仕方ないほど、もうフラれるって思って半ば諦めていたし。
笹森さんの言葉にも、あんなに傷ついたのは初めてと思うくらい泣いたから。
「さ、笹森さん…て、美人、だね?」
「まぁ…、確かに美人だと思う」
「・・・」
だから勇気を出して彼女の話を振ってみれば、悲しい答えが返って来た。
「聞いたよ…前に…付き合ってたんでしょ?」
「いや、付き合ってはいないが…、関係はあった」
「っ、そ、そう…」
聞き分けの良いフリをして、精一杯にオトナぶって尋ねてみれば。
ようやく埋まりかけたキズが、また泣き出したいほどの痛みを感じた。
どうして付き合って無いなんて、ここでウソを吐くのか分かんない…。
大体ね…曖昧すぎる答えで余計に傷つく事も、彼に分かるワケ無いよ…。
「悪いな…、もう少しだけ待っててくれ――
…鈴ちゃん以外にブレるほど、安いオトコじゃない」
「…っ、ズルい・・・」
それでも不安と裏腹に高鳴る鼓動と、彼の腕の中に再度収められてしまうから。
好きな人の腕の中で囁かれる言葉は絶大だね…、許そうとしてる自分が怖い・・・