アイ・マイ上司とlove★battle
大切な人を信じようって思うほどに、怖くなるのが人間かもしれない。
だけど何も分からない私が、今出来る事といえばソレだけだから・・・
「ちょっと、斉藤さん」
「は、はい…」
ああ、今日もキター…!なんて、条件反射のようにビクッと身が震えてしまう呼び声。
今日もいそいそと席を立った私は、肩をすくめながら仁王立ちする女性と対峙する。
「アナタって、一体何度言えば理解するワケ?」
「す、すみません…」
そんな態度も笹森さんは気に入らないのか、大きな溜め息をつかれてしまった。
「どうやれば貸借を反対に処理出来るっていうの?
こんな簡単な処理ならね、誰だって出来るわよ。
貴方いったい、今まで何学んで来たの?」
「・・・・・」
無能すぎる私は、それこそ異動どころかお暇を出されても仕方ないけども…。
今日は一段と手厳しいというか、だけど言われても仕方がないから俯いてしまう。
「はぁ…、まったく。
新人でもないのに、そうやって黙れば許されると思う時点であり得ないわ。
前任の教育係にも問題アリね、ホント…」
「・・・っ」
何も返せる訳の無い私で余計に気分を害したのか、バッサリと吐き捨てられた言葉。