アイ・マイ上司とlove★battle
チビな私からすれば、長身であるこの2人が対峙すると余計に殺気立って見える。
というか…、きっと2人が放つ鋭い閃光まで見えるのは気のせいかな…?
「ふふっ、意外に言うものねぇ?
いつもは知らんぷりしてるクセに、案外…」
「先ほどの状況は見過ごせませんし…、私は“案外”正直者ですから」
「へー、今度の査定楽しみにしておいて」
「・・・っ!」
思いきり眉根を寄せた笹森さんの発言は、もう恐ろしいとしか言えないけども。
「はい、ありがとうございます」
「り、涼子…!」
そんな彼女を前にしてもニッコリ笑う涼子は、相当に強い人間なのかもしれない…。
笹森さんは最後の最後まで気に喰わなかったらしく、フン、と鼻を鳴らし去って行った。
周囲はヒソヒソと話しながらも、コチラへは憐れんだ視線を向けて来ただけだ。
結局は誰もが“御身可愛い”のだから、コレもまた仕方ないとも思ってしまう…。
「…ごめんね?私のせいで…」
「ああ良いのよ。私は大丈夫だから。
いい加減ね、腹に据えかねていたからスッキリしたわ」
そう笑ってくれるけど、全く関係無い彼女を巻きこんだ自分が不甲斐無い・・・