アイ・マイ上司とlove★battle
大好きな人たちを守りたい、と思うごとに酷く失敗ばかりを繰り返す私。
輝に“大丈夫”だって抱き締めて貰いたい…けど、今は叶わないんでしょう…?
すると不穏な空気を断ち切るように、ハハッと軽快な笑い声がオフィスに響いた。
「派手にやったなー」
「誰かさんがヘルプしないからよ」
まったく…と、美人フェイスを崩しながら呆れた面持ちを見せる涼子に対して。
「わるいわるい…。
ていうか、割り込むスキを与えなかったのは誰だよ?」
「そんなの当たり前でしょ。
あーいうインテリ女はね、少しでも怯んだらつけ込んで来るの!」
上司の笹森さんを“インテリ女”呼ばわり出来る強さに、私は尊敬の念を抱いてしまう。
「プッ、オマエも十分…」
「大平さん、その続きは何かしら…?」
「・・・こえー…」
鋭い眼差しを向けられて苦笑する大平さんにも、今日の涼子は容赦ないようだ。
「まぁ…、いいですけど。
ちょっと鈴、行くトコあるから来てくれる?」
「・・・え?」
「良いから。早いとこケリつけに行くわよ!」
すっかり隅へと追いやられていた私の腕を、グイッと掴んで勇み足で歩き出した。
何だ、何だ?という視線をビシバシ浴びながら、ただ彼女について行くしかない。
だけど、この彼女の行動こそが、すべてのパズルを繋げる突破口となったね…――