アイ・マイ上司とlove★battle
この2人の会話と雰囲気を目の当たりにして、私の遅い処理速度で理解出来たのは。
取り敢えず異母兄妹であることと、色々と複雑な家庭の事情らしいことで。
お兄さんを言い包めるやり取りに、ポカンと取り残されているのは私だけだ。
するとその時、トントンと重厚なドアをノックする音が部屋に響いた・・・
「社長…、宜しいでしょうか?」
「いいよ、入ってもらって」
「かしこまりました…」
秘書室からの問い掛けにお兄さんが返せば、ドアの外から話し声が漏れて来た。
「失礼します」
なぜだか久々に聞いたような感覚が襲う、大好きな低い声色にドキンと胸が高鳴り。
そんな隔てられたドアを見つめていれば、隣からグッと腕を引かれて視線を移すと。
「鈴…いいわね?何を聞いても逃げちゃダメよ」
「…うん、大丈夫」
ソファに身を沈めていた涼子の言葉が胸に響いたから、強く強く頷き返した私。
突然あれだけ色々と知った涼子の事実に驚いたんだし、少し耐性は出来てると思う。
ソレに私は逃げたりしないよ…?ただ、大好きな輝の傍に居たいだけだもん…。