アイ・マイ上司とlove★battle


知らない事があるのは当たり前で、別に今の彼を知っていれば良い。



そう考えていたのはもちろん、大好きな輝に愛されてると分かるからで。



至ってフツー…いや、それ以下の私でも彼の隣に居られる自信が出たトコロなのに…。




「あー、さすがは鈴ちゃんだ」


「…どーせ、バカって言いたいんでしょ?」


クックッと綺麗に笑う彼とは対照的に、ムスッと頬を膨らませている私。



あれから残業を終えた私と輝は、いつものバーでお酒を酌み交わしていた…。




「その前に“可愛い”が付くけど」


「う゛…、あんまり嬉しくない」


「最上の褒め言葉なのになー」


そう付け加えて彼がグラスを傾ければ、カランと氷が心地良い音を立てた。



「せめて、ドジのカテゴライズから外れたい…」


今日もバーボンを嗜む彼は、大人の男の雰囲気を店内にも撒き散らすのに。



その隣でうな垂れながら呟いている幼稚さは、彼女として如何なモノだろう…?




「上司としての意見なら…、部下の成長は嬉しいけど。

ナチュラルこそ鈴ちゃん、だろ?」


「っ、甘やかしすぎ…」


「さぁ?」


私は妖しい笑顔に対して、恥ずかし紛れで“ファジー・ネーブル”を手にした…。




< 6 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop