アイ・マイ上司とlove★battle
社長の話では、笹森さんは前の職場には黙ってキャバで働いていた事がバレた時に。
経理部門でも中枢にいたデキる彼女に、不安を抱いた会社が懲戒解雇処分にしたらしい。
思いもよらない説明者の登場だったからか、涼子はお兄さんを黙って見ているけど。
「貴方たち誤解してそうだけど、お金目当てじゃないわ。
大学時代の先輩がオーナーだったから、頼まれてしてただけ。
私だって昼間の経理の仕事もキライじゃなかったし、言い掛かりも良いトコよ。
そもそもアンタのお義母さんじゃない。その店のオーナー――」
「はぁ!?」
「だから、会長の奥さんでしょ?そのキャバ店のオーナー」
目を見開く涼子にうんざりした面持ちだけど、ハッキリとそう告げる笹森さん。
「し、知らないわよ、私!お兄ちゃんどういう事!?」
「いやー、親父が千香さんと知り合ったのも、実はその店なんだよな…。
涼子に嫌われたくないって、親父から秘密にしろって頼まれてたんだよ」
「はぁあ!?イイ年してまだキャバ通いしてた訳!?
サイテーよ!あのエロ親父!」
「いや、エロって言うのは…」
「あー、よく分かったわ!だから、千香さんが派手なのかもね!」
疑り深い眼差しを自然と向けていたのか、皮肉に加えて新たな事実も発覚する始末。