アイ・マイ上司とlove★battle
会社の不正出金事件より、芋づる式で出て来る事実の方が衝撃的だったからか。
「あり得ない…、本気で見損なったわ!」
「あー、いい加減ウルサイ!」
「…っ、な、何すんのよ!」
怒りモード全開の涼子が叫んだ瞬間、立ち上がった笹森さんの平手が飛んだ。
思いもよらぬ事に驚き、これには当事者2人以外は唖然とするしかない…。
「アンタこそ何も知らないクセに、オーナーの悪口言わないでくれる?
そうやって畏まってるから、“お嬢さん”なのよ」
「私はまっとうに生きてるだけよ!ソレが何か?」
「フンッ…、地味に暮らすのが真っ当?笑わせないでくれる?」
「アンタみたいな男好きに、揶揄される覚えないわよ!」
「り、涼子…落ち着け、な?」
「笹森も止めとけ――」
「「ウルサイわね、黙ってて!」」
冷戦状態の均衡が崩れた2人を、男性陣も止める事は出来ないみたいだけど…。
「ツテって、何ですか…」
「りん?」
どうして私の事を放っておいて、何で笹森さんを“先に”制止しようとするの!?