アイ・マイ上司とlove★battle
どうして私ばかり、いつもいつも輝の事で一杯になってしまうんだろう…――
「ちょっと鈴、大丈夫…?」
いつの間にか笹森さんとの戦いを終えていたらしい、涼子の優しい声で尋ねられて。
「・・・っ」
その瞬間には、我慢しかねた大粒の涙がポタリと目から零れ落ちてしまう…。
「ひ、輝…は、もう、私の事が…好きじゃないっ、でしょ!?
も、いいもん…!わ、別れ…」
「り、りん…」
輝が好きだから…、好きすぎるから、もう我慢するのも限界が来ていたのに。
いつも分からない彼へ言葉をぶつかけた瞬間、止め処なく溢れる涙が邪魔をする。
「別れるワケ無いだろ――」
「っ、な、なにす…!」
顔を覆って泣いていると、突然に私の身体はふわりと宙へと抱え上げられてしまう。
「鈴がバカな事言うからだ――
社長…俺らはコレで失礼しますよ?」
「ああ、どうぞご自由に…」
「は、離してよ…!」
私の抵抗を無視して歩き始める輝に、ただ泣きながら悔しさを噛みしめるだけだ。