アイ・マイ上司とlove★battle
いつでも優しい涼子だから…、これ以上私のせいで悪者にはならないで欲しい。
ああまで言われると正直悔しいけど…、事実には反論の余地も見当たらないよ…。
「悪いけど、鈴以外の女を構う暇は無い」
「――っ」
「はぁ!?」
すると私の頭上から響いた至って冷静な声が、笹森さんに冷たく投げ掛けられた。
「確かに――前の俺は、ストレス解消に一晩限りの関係しか持たない主義で。
笹森も当然、その一人だった」
「ッ・・・」
輝の過去を告げるその一言は、どん底に落ちた今の心境をさらに沈めてしまう。
社内の女性陣を虜にするくらいだもん…、ソレにあのテクニックからも分かるけど。
やっぱりというか…輝は私なんかの想像以上に、凄いモテていたんだね・・・
「でも、今は鈴しか抱きたくない――いや、鈴しか反応しないから」
「・・・え?」
「ごめん、鈴」
「・・・っ」
大粒の涙が瞳に溜まって堪えていると、スッと手慣れた指先がソレを掬った…。