アイ・マイ上司とlove★battle
上司の立場よりも、恋人としての私を優先してくれた…――
その嬉しさと気恥かしさが往来する中でも、ニッコリ笑う彼の考えは読めない。
目には目を…と言わんばかりに、曖昧な態度にはアイマイに返そうと思って。
コクンと喉を潤わせて素知らぬ顔をしたのに、私の動揺なんてお見通しのようだ。
そもそも単純明快な性格で、輝に隠しゴトなんてムリなのにね・・・
「流石に飽きるだろ?」
するとグラスの中身が無くなる寸前のトコロで、おかわりは?と尋ねてきた彼。
毎回、毎回…、バカの一つ覚えと言わんばかりに同じ物を頼むせいだろう…。
「ううん、でも今日はもうイイかな。
それに、コレじゃなきゃヤなの――」
フルフルと頭を振った私は、氷が溶け出して汗をかき始めたグラスを見つめた。
小さくなった氷はグラスで踊り、飾り付けでフチに添えられたオレンジが彩りを増す。