アイ・マイ上司とlove★battle


だから柔らかなクッションから、おずおずと顔を上げてしまう自分が情けないけど。



想いのままにゆっくりと視線が上へ向けば、行きつく先は大好きな眼差しだけで。



「いま輝が好きなのは…、私でイイ…よね?」


聞きたい事はたくさんあるけど、やっぱり不安に駆られた分の確かな言葉が欲しい。



「当たり前――鈴しか要らない。…他には?」


「そ、それなら、っ、もう離さないでよ…?

すっごく不安、だったんだから…!」


もの凄いワガママ発言だろうけど、悩んだ分の想いはもう吐き出させて欲しいの。



いつも一緒に居られる環境でも、見えない気持ちがある限りは寂しくもなるし。



笹森さんが来てからずっと、いつイラナイって言われるのか怖かったから――



勢い任せに言い切ると、目を細めて笑った輝の胸へとグッと引き寄せられていた…。



「ごめん…、だけど俺は嬉しいかな――

鈴に束縛されるのも、結構快感…?」


「もう…っ」


「ハハッ、鈴ちゃん最高…!」


ムスッと頬を膨らませれば、今度は丸いホッペを人差し指で押して遊び始めたから。



「・・・もー…」


そうして頬からプシューと空気が抜けていけば、もう笑顔になるしかないじゃない。



怒っているより笑っていたいし、笑顔には幸せを呼び込むパワーがあるでしょ?



せっかくの時間を不機嫌に過ごすより、輝をもっと好きになって大切にしたい…。



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