アイ・マイ上司とlove★battle
曖昧÷彼氏=?
きっと苦しんだ分だけ信じる力が備わって、貴方をもっと大好きだって言えるから。
「っ、や、んっ、…あぁ――」
“不安に思えなくさせるから”
その宣言通りに縦横無尽に動く指先は、ますます輝のコトしか考えられないのに。
「イヤ?ココはそう言って無いけど…?」
「ん、あぁっ、も、っ――…」
「っ、りん…」
舌と指先で執拗に責め立てられる分、ホントに負の感情が消えてしまうから不思議。
これが“身も心も愛されて抱かれる”、幸せなヒトトキなのかもしれないね…――
「…ええ!?」
「なに辞令出たの、知らなかった?」
翌日ルンルン気分で出社してみると、単純すぎる私をピシャリと咎めた涼子。
「き、聞いてないよ!?笹森さんが異動なんて、まだ来て…」
どうやら昨日のウチに、人事部や部長が彼女の意見を尊重して発令したらしい。
幾ら何でも急すぎるというか…、おバカな私が考えてもフツーあり得ないよね…?
「んー…、ソレがこの会社の特性だからでしょ?
慣習に囚われないって、結構な自慢だと思うわ。これで平穏が訪れるしね?」
「えー…分かったような、イマイチ納得いかないような…」
涼子は清々しく笑っているのに、世の中のカラクリが分からない私は残念すぎる。